最近の映像作品ではOCIOとACESを使用してのモデリング制作が主流となってきました。
リニアワークフローが定着して落ち着いていたと思ったら、ないやら別のものが。。。という思いでしたが、ちょくちょく設定に困っているモデラーにお会いするので、今回はSubstance 3D Painterのカラーマネージメントについてご紹介します。
- Color managemantを『OpneColorIO』
- OpenColorIO configurationを『ACES **』
まずは、私も専門ではないので詳しくはないのですが、OCIOとACESについてざっくりと簡単にお伝えします。
OCIOとは
映像制作で色変換を手軽に行えるようにするためのシステムです。
OCIOの話をしていると、ACESという言葉も同時に出てきますが、OICOはACESを扱うためのパッケージのようなものと思って頂ければ大丈夫かと思います。
(ACESについては後述)
ACESとは
色域の規格と色管理をするカラーエンコーディングシステムです。
カラーエンコーディングシステムというのはsRGBやRec709などが以前からあり、これらはフィルムなどの古いシステム向けのものです。
今はsRGBよりも多くの色表現ができるようになっています。
そうした機材(デバイス)がたくさんあり、機材にはそれぞれ独自のカラースペース(フォーマット)があります。
映像制作(VFX)では様々な機材で作成された、様々な素材のカラースペースを合わせてくっつけていかなければなりません。
そこでACESの出番です。
ACESは、機材に依存しないでカラーを管理でき、データをまとめやすくなります。
ACESにも複数種類がありますが、私たちCG屋が扱うのは「ACEScg」です。
難しいことは専門の方にお任せするとして、モデラーの認識としてはまず
「色の範囲やガンマが広いのでVFXで使用するもののほどんどをカバーすることができる。」というざっくりとしたところを知っておきましょう。
詳細はその時々で詳しい人に学びながら少しずつ学んで行けばよいと思います。
読み方は英語発音ですと「エイスース」という感じだと思うのですが、「エイシス」「エイシズ」と呼んでいる方が多いかなと思います。
Substance 3D Painterでの設定方法
設定は簡単です。
すでに作成しているプロジェクトの設定を変更したい場合は、Project configuration (Edit >)
新しくプロジェクトを作成する場合は、New Project (File > ) このどちらかのCOLORMANEGEMENTのColor managemantとOpenColorIO configurationを変更するだけです。
- Color managemant: OpneColorIO
- OpenColorIO configuration: ACES 1.2(バージョンは案件で要確認ですが、大体最新版を使用することが多いです)
どうしてSubstanceでOCIOやACESを設定しなければならないのか
正直設定をしなくてもレンダリング画像を見ながらテクスチャを調整することはできます。
できますが、OCIOを設定していないSubstanceで見ているものと、MayaなどでOCIOを設定した環境下でレンダリングしたものでは見た目が全く違うものになりますので、
自分が出したい色を再現するのに手探りで見つけなければならなくなります。
下の画像を見ていただくとお分かりいただけるかと思いますが、
OCIOを設定している(左図)としていない(右図)とでは全く見た目が異なります。この違いがOCIOを設定していないSubstanceとMayaなどでOCIOでも起こるということです。
書き出したテクスチャを設定する
Mayaなどに持って行った際は、それぞれのテクスチャのColor Space設定が必要です。
カラーデータかスカラーデータかで分かれています。
- カラーデータテクスチャ: Utility – sRGB -Texture
Base Color, Spec Color, Emissive Color
- スカラーテクスチャ: Utility – Raw
Spec Roughness, Metalness, Displacement, Normals
まとめ
作成しているテクスチャをそのまま再現するにはそれぞれのソフトや機材の環境をそろえてあげることが大切です。
設定自体は簡単です。Mariなどほかのペイントソフトにも同様の設定がありますので、作業をする際はまず設定をしてから作業を始めましょう。
以上サブスタンスペインターのOCIOとACESについてでした。